いぬのプーにおそわったこと~番外編

Can ! Do ! Pet Dog School

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9.家を建て替える
 
 
 

 


 

 
 長男が中学に上がり、弟とは別々の自分の部屋が欲しいと言い出しました。
 自宅の敷地は旗竿形状で、坪数にすると約30坪。建坪率40%、容積率80%。土地の形状が特殊なので、家屋の西側の壁は隣の家の敷地の際に位置していました。
「建て替えるとすると、庭は狭くなるだろうな」
 新築にすれば隣の家から一定の距離を離さないと行けなくなるはず、そう思い込んでいました。庭が狭くなれば、プーがお気に入りのウッドデッキもなくなります。
 それと、我が家には当時、プー以外にも20歳のマルチーズ、それに猫が1匹同居していました。
「この3匹を従えて仮住まいができる家を探すのは大変だろうな」
 そうも思っていました。
 そこで引っ越さずに行える程度の増改築で、長男の要望に答えようと考えました。
 増改築といえどもそれにかかる金額は、かなりのものです。信用のおけるところに頼みたい。業者の話を聞いてみたり、本を読んでみたりと、いろいろ模索する中で、私と妻はOZONEにたどり着きました。
 OZONEは東京ガスが運営している、住まい作りのコンサルタント業務を行っているところです。担当者が施工主の要望を聞いて建築士を紹介してくれる、そうしたサービスを行っていました。
 私と妻は新宿にあるOZONEに出向き、担当者からサービスの概要を聞きました。
「悪くないんじゃない?」
 私たちは、話を進めることとしました。
 早速担当者は、私たちの要望にかなうような建築士を何名かリストアップしてくれました。リストアップされた建築士の作品集などがファイルされた資料を貸してくれ、次回の打合せで3名に候補をしぼることとになりました。
 その後の流れは、3名の建築士にひとりひとり面談をして、最終的に1名の建築士を決めていきます。
「新築にしても、庭は狭くなりませんよ」
 驚いたことに、増改築にも積極的な建築士、という条件で選んだ3名の候補が3名とも、同じ答えを口にしました。
「でも新築は高くつくでしょう」
 私のこの質問に対しても、答えは一様でした。
「多少は高くなりますが、要望を確実に満たしていけます」
 引っ越さずに済ませる増改築は、やってできないことはないが工期が長引くので、結果、新築よりもお金がかかるというのも、共通した意見でした。
 新築にするか、増改築で済ますか……私と妻は、とりあえずそのことは置いておいて、3人の実際の建築物を見学させてもらうことにしました。
 私たちはT氏の建物が気に入り、彼にすべてを任せることとしました。
 いよいよ正式の依頼となります。T氏のデザインは、シンプルモダンという流れにありました。彼のデザインの良さを発揮してもらうには、新築がいいに決まっています。
「新築にしよう」
 私と妻はそう結論づけました。
 増改築を考え始めて、T氏への建築依頼まで、すでに6ヵ月が経っていました。ここから、T氏の現場確認、プラン提案などが始まります。
 新築となると、要望は増えていきます。
「どうせ建てるのなら、ペット共生住宅を目指そう」
 当初、長男の要望に応えることが目的だったのが、ペットも快適にという要望がそこに大きく加わりました。
 ウッドデッキが大好きなプーのために、庭には広いウッドデッキを。プーがリビングとウッドデッキを自由に出入りができるようにペットドアを。汚れた足でペットドアから直接リビングに入られても困るので、リビングと一体となるようなペットルームを。などなど、要望は次から次へと出てきました。
 最終案が決まるまで、T氏からのプラン提案は、3回に及びました。
 T氏に依頼してから、すでに6カ月を経過していました。
 しかし、大変なのはここからでした。
 大筋のプランをさらに積み図面を作っていきます。その間、仮住まいへ引っ越し、既存の建物を取り壊し、基礎工事へと進めつつ、同時に床材は何にするか? 壁はどうするか? 照明はどうするかといった、一つ一つの機器や素材を決めていきます。
 床材一つとってみても、プーがオスワリを維持できる、チビコに爪研ぎされない、しかも衛生的である、クッション性がある、メンテナンスが楽、床暖房に適す、値段が手頃などの要件を満たす素材を見つけ出す必要があります。
カーペットは衛生面でNG,コルクは爪研ぎでNGなどと吟味していき、結果的には、リノ リュームにペット用ワックスを塗るという施工に落ち着きました。
 リノリュームにもいくつもの種類がありました。それぞれサンプルを取り寄せて、オスワリが維持できるかを、プーで実際に試して決めていったのです。
 
 



※著者コメント

 この話は、第4章の冒頭に入れるつもりでした。他の削除した項目同様、ページ数の関係で、なくなく省きました。
 プーと作り上げたペット共生住宅は、完成後、建築雑誌やテレビでも紹介されました。
※右の写真は、建築雑誌に取り上げられたときの掲載写真。